電力会社を変えることへの大きな誤解
2016/12/29
日々思うこと
4月からいよいよ一般家庭向けの電力販売の自由化が始まります。時期が近づくに連れていろいろなメディアで話題にされるようになりましたが、まだまだ誤解が大きいように思います。
大きな誤解の一つが、「電力会社を変えると停電がおきやすくなるのでは?」というものです。電力の事業は大きく分けて、電気を作る「発電」、電気を売る「販売」、電気を送る「送電」の3つがあります。このうち4月から完全自由化されるのは「販売」の部分です。
電力を「販売」する会社は、「発電」の会社から電気を仕入れ、「送電」の会社に送電を委託します。停電は送電部分で何らかの障害が起きた時に発生するものであり、送電の会社が対応しなくてはならないことです。つまり電力を販売する事業者がどこであるかは関係がないわけです。自由化後も送電会社は九州電力で共通である以上、停電のリスクは、九州電力も新興の電力会社も全く変わらないと言えます。
もう一つ、「スマートメーターがある家庭でないと電力会社を変えられないのでは?」という誤解もあります。これも関係がありません。スマートメーターは電力の消費量を通信回線を使って送る新しいタイプの電力メーターですが、検針員が見て回る従来の電力メーターでも、検針した情報を送電会社が電力販売会社に提供することになっています。検針する手段が通信回線か検針員かに関係なく、販売会社は電力の消費量を収集し、それをもとに料金を計算できる体制になっているのです。
電力会社を変えることは、インターネットのプロバイダーを変えるようなものです。日常使っている感覚は全く変わることなく、変わるのは料金の請求元だけです。変えることに心配はいりません。
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