次世代の蓄電池で「オフグリッド」を目指す
「愛エネハウス」は、建設が順調に進んでいます。大型の太陽光発電システムを屋根に置き、その電力の効果的な活用方法を検証する目的で建てているものです。ここで作った電力は余剰分を電力会社に売ることはせず、電力会社の電力網(グリッド)から敢えて切り離す、いわゆる「オフグリッド」を目指していることは、以前書いたとおりです。
電力会社のグリッドに頼らない家を実現しようとすれば、太陽光で発電ができない期間が続いても生活できるような大容量の蓄電池が必要です。愛エネハウスは一般の住宅にしては大きい20kWの太陽光発電システムを置き、売電も行わないため、蓄電池に向ける電力は十分あります。
その蓄電池に、私は東芝の新しい二次電池「SCiB」を使うことを検討しています。SCiBは充放電を繰り返しても劣化が少なく、長寿命であることなどが特徴です。普通の家庭用蓄電池に比べて高価ですが、大きな効果が期待できそうなため、検証する価値は十分あると考えています。
ただしSCiBは、電気自動車などには使われているものの、家庭用蓄電池での導入例はほとんどないとのことです。そのためメーカーからの積極的な支援はあまり期待できないようです。
SCiBという今ある技術で家庭でも容易にオフグリッドが実現したら、電力サービスそのものへ大きな影響を与えることを懸念しているのかもしれません。しかし売電は政府の政策に左右されるため、それをあてにした太陽光発電の導入は長期的に不安が残ります。理想はオフグリッドで電力を完全に自活することであり、それを現在の技術でできる可能性があるなら、積極的にチャンレジしたいと考えています。
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