ガスのもう一つの良さは、「必要な時に必要な分だけ利用できる」点が挙げられると思います。もちろんそれは電気も同じなのですが、オール電化の環境で使われる給湯器「エコキュート」は、深夜電力でお湯をまとめて沸かすのが前提です。つまり必要な時にその都度沸かしているわけではないため、冬場や来客時などで使用量が急に増えたときにはお湯が足りなくなりがちです。その時は追加分を割高な電気料金で沸かさなくてはなりません。逆に使用量が少ない日でも同じ量を沸かすため、沸かしたお湯がムダになることもありえます。

通常は割安な深夜電力を活用するエコキュートは、確かにコスト的に大きなメリットがあります。弱点は上記のように沸かすお湯の量の融通が利きにくいという点ですが、必要な分だけお湯を沸かせるガス給湯器の特性を併用すればその弱点を補うことが可能です。それは「エコワン」という商品で実現されています。

エコワンの基本構造はエコキュートと同様の物ですがお湯を貯めるタンクがエコキュートより小さく、足りない分をガスで沸かすというハイブリッド型の給湯器です。小さなタンクはエコキュートのものよりも熱のロスが少なく、もし足りなくなってもガスで瞬時にお湯を沸かせて使うことが可能です。

まだ初期費用の面でこなれているとは言えず、現時点では当社も積極的に販売しているわけではありません。しかし沸かすお湯の量を調整できるメリットは大きく、特に温水式の床暖房を検討されているお客様には有力な選択肢になり得るでしょう。当社も今後提案を広げていくために、継続的な情報収集を行っていきたいと思います。