少し前の話になりますが、米国の電気自動車メーカー、テスラモーターズが家庭用の蓄電池を発売することを発表しました。電気自動車に搭載する大容量バッテリーの技術を背景に、家庭用に進出することにしたようです。

驚きなのはその価格。家庭用では一般的な容量の7kWhのモデルが3000ドル。日本円に換算すると約37万円です。現在、国内メーカーが販売している家庭用蓄電池の価格が、同じ7kWhで150万〜200万円ということを考えると、テスラの蓄電池は破格と言えます。さらに大きい10kWhのモデルでも3500ドル（約43万円）です。

電力買い取りによる太陽光発電システムの投資回収は、前提となる国の政策に左右されるため、長期的にはあてになりません。私は最も確実な投資回収方法は自家消費の節約と考えており、蓄電池の活用はそれをさらに確実なものにしてくれます。

家庭で使う蓄電池としては今後、電気自動車の使用済みバッテリーも期待できるでしょう。日産自動車の電気自動車「リーフ」のバッテリーが、そろそろ中古となって市場に出回り始めてもいい頃かと思います。劣化した中古バッテリーは自動車を走らせるには不十分かもしれませんが、もともとの容量が27kWhと大きいため、家庭用の蓄電池としては十分使えます。

太陽光発電システムは、蓄電池と組み合わせることで導入効果が高まりますが、価格がネックでした。テスラの参入などを機に家庭用蓄電池の価格低下が進めば、太陽光発電をさらに導入しやすい環境が進むのではないかと思います。